イメージ 年金分割の方法

離婚による年金分割の基礎知識と取決め方法について解説しています。

1.年金分割制度について
2.年金分割請求をするための資料
3.年金分割の対象期間と分割額について
4.年金分割請求を単独で行なうための方法(準備)

年金分割制度について

年金分割の制度は、次の2種類の分割方法からなっています。

1.合意分割

平成20年3月31日以前の婚姻期間中に、第3号被保険者であった妻(専業主婦・パート)及び共稼ぎであった夫婦は、合意によって厚生年金・共済年金の標準報酬部分(年金額を決める基礎数字)に対応する年金の、最大50%(共稼ぎの場合は2人の年金の差額の半分)をもらうことができます。

2.第3号分割

平成20年4月1日以降の婚姻期間中に、第3号被保険者であった妻は、夫との合意なしに厚生年金・共済年金の標準報酬部分に対応する年金の2分の1を単独で分割請求できます。婚姻期間が平成20年4月1日の前後にまたがっているときは、上記の合意分割の手続きが必要になります。

年金分割請求年金分割の請求期間
年金分割請求の期限は、離婚が成立した日の翌日から起算して2年となっていますので、離婚後速やかに年金事務所で手続きをして下さい。

▼ 年金分割請求手続き

年金分割請求をするための資料

年金分割情報通知書年金分割のための情報通知書
年金分割をするにあたり、法律で認められる年金の按分割合範囲の下限・請求先窓口・標準報酬額の確認をするための資料となる「年金分割のための情報通知書」の発行を請求することができます。

離婚前にこれを請求する場合離婚後の請求と違い、一方の配偶者にその事実が通知されることはありません。

年金分割情報通知書情報通知書の請求方法
請求者の年金手帳(基礎年金番号)と婚姻期間がわかる戸籍謄本(内縁期間がわかる住民票の写し等)を持って、年金事務所へ出向いて交付申請します。交付まで2~3週間かかることがあります。

年金分割の対象期間と分割額について

 年金分割対象期間年金分割の対象期間
年金分割をする場合の分割対象期間は、婚姻期間(内縁期間)となります。年金の按分割合が0.5である場合は、対象期間中の標準報酬総額が双方同額になることを意味します。

仮に夫と妻の対象期間における標準報酬総額が、それぞれ3億円、2,000万円だとすると、夫から妻へ1億4,000万円が移り、妻が将来年金受給権を取得した際にこれが反映された年金額が支給されることとなります。

50歳以上の方であれば、年金分割によって実際いくらの年金額になるか、年金事務所で調べることができますので、利用してみてください。

年金分割請求を単独で行なうための方法(準備)

年金分割請求は、離婚後に年金分割当事者2人で揃って、年金事務所へ出向いて手続きをすることができますが、下記の書類をあらかじめ準備しておくことにより、年金分割を受ける側がお一人で請求手続きを行なうことができます。

 年金分割請求準備しておく書類
次のいずれかの書類があれば、離婚後単独で年金分割請求手続きを行なうことができます。

1.年金分割についての合意条項が記載された公正証書
2.年金分割についての合意条項が記載された離婚協議書(離婚給付等契約書)で、公証人の認証を受
 けたもの

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