養育費の決め方
離婚の話合いの際及び離婚後の不払いで問題になる、養育費について解説しています。
1.子どもが親に請求する権利
2.養育費をきちんと支払ってもらう方法
3.養育費の額はいくらにしたらよいか?(養育費の相場)
子どもが親に請求する権利
養育費は、子の監護のための費用として親権者(監護者)から一方の親に対し、支払いを請求することができる権利である一方、子どもは両親に対して、両親と同質の生活水準による扶養を受ける権利を主張することができます。
子どもの権利という認識が欠落しているため、しばしば親権者からの支払い要請に対し、親権を渡したことを理由にこれを拒むという勘違いをなさる方がいらっしゃいます。
また離婚の後、しばらくして養育費の支払い義務者が再婚したとしても、養育費の支払いを免れる理由とはなりません。
扶養の程度
養育費は、経済的に余裕があれば支払うという性質のものではありません。子どもが学業を終え就職するまで、収入・財産または働く能力に見合った養育費を支払う義務があります。
養育費をきちんと支払ってもらう方法
養育費の取決めをして離婚をしても、しばらくすると支払いが滞ることがあります。相手方の失業・再婚等生活に変化があったり、子どもの成長への貢献度合いが見えずモチベーションが低下するなどが原因として考えられます。
こうした養育費の不払いを防止及び取立てを成功させるための方法として、下記のような工夫が必要になってきます。
- 子の福祉に反しない程度に、面会や映像などで子どもの成長を相手方に見せる
- 相手方の勤務状況や財産取得についての情報が得られるルートを確保する
- 養育費支払いの取決めを公正証書にしておく
- 相手方の親に保証人となってもらう
- 子どもの権利であることをよく相手方に認識してもらう
養育費の額はいくらにしたらよいか?(養育費の相場)
養育費の月額の決め方
養育費を決めるに当たっては、相手方の支払い能力や教育方針など個々の実費を勘案して、月額を計算するのが建前です。
しかし実際には、将来を見通した正確な計算などできませんので、ドンブリ勘定となりがちです。
いくらにしたらよいか見当がつかなかったり、もめないよう公平な養育費の基準を知りたいときに役立つ資料として、家庭裁判所で用いられている養育費算定表があります。
この養育費算定表により、支払い義務者と親権者(監護者)の年収から、簡易に養育費の目安となる月額を知ることができます。 ▼ 養育費算定表
子どもに特別の事情が生じたときの養育費
子どもの病気、ケガまたは進学などにより、一時的に大きな出費が必要になることがあります。
こうしたケースに備え、離婚の話合いの中で具体的な事情や支払い方法を決めておき、離婚協議書や公正証書に記載しておくことをお勧めします。